先日本屋さんで、昔パニック障害で悩んでいた頃に読んでいた「パニック障害の第一人者的ドクター」の名前を久しぶりに見つけ、思わず手に取って見てしまったのですが、中味を見て、「うーむ」と思ってしまいました。
昔、第一人者の先生のクリニックということで「ここなら治るのでは!」という大きな期待をもって行ってみたのですが…
実際行ってみると、パニック障害の権威とも言える方が開院されたとは思えないような環境のクリニックでした。
パニック障害の症状がある人間にとって、小さな古い、ゆっくりと動くエレベーターとか、窓のない狭い空間などはとても苦手なものです。でもそのクリニックはとても苦手な環境の作りになっており、私は待合室にいる間も、そこで待っているのがかなり大変だったのを覚えています。
(いざと言う時には階段で降りようという考えがいつもあったのですが、どうも階段も見受けられず、窓もない待合室で長時間待たされるのは当時はかなり大変でした)
その有名な先生もクリニックにはほとんどいらっしゃらないようだったので、2~3回行ったきりでそこへ行くのは止めてしまいましたが、パニック障害の症状を良く知っているはずの先生のクリニックなのに、患者の状態に配慮が見られない環境に
「どうして?」 と不思議な位でした。
そんな先生の新しい本には、今はよく知られてきている「栄養」などとの因果関係が全く書かれておらず、いまだに「抗不安薬」を即効性が魅力的だという表現がされていて驚きました。
私がパニック障害の症状で悩んでいた頃は、「抗不安薬」と「自律神経を整える呼吸法などでリラックスさせるカウンセリング」などが用いられてはいましたが、正直これだけでは治るということはありませんでした。
抗不安薬は、いざという時に持っていると安心するものではありましたが、飲んですぐに発作がなくなる訳ではありません。
私も状況によって服用する時がありましたが、予防で飲んでおくと、もう眠くて、頭がぼーっとして、思考力ゼロの状態でした。
新幹線や特急電車、飛行機に乗る時などに仕方なく前もってお薬を飲むと、必ず数十分後には異常な眠気に襲われ、寝過ごして遅刻してしまったり、終点で電車が止まったのにも気づかず寝ていて、車掌さんに起こされた、なんて言う事もありました。
また、仕事中に無意識にあちこちにぶつかってしまっていたり、パソコンに向かっている時に、一瞬?寝てしまっていたかのような感覚になったり…
とにかく全く仕事にならない状態になるので、余程でない限りはがんばって薬は飲まないようにしていました。
パニック障害の症状が完全になくなった今、体験者として私が強く言いたいのは、薬で治ることはないということ。
そして精神的に弱いからそういう病気になるのだという事ではないということ。
ストレスが発症の原因となることはあるけれど、本当の原因はふだんの生活状態にあるということ。
だから、自分でふだん意識をむけてライフスタイルを改善してみることで、かなり症状は変わってきます。
薬は対処療法として上手く使うことが重要。
そうでないと却って症状が悪化してしまうことも大いにあり得ます。
頓服薬としての使い方をして、常用するということではなく、逆にだんだん減薬していくことを意識していくようにしたいですね。
そしてそういう処方をしてくれるクリニックを選んでいくことが大切だと思います。
サロンでのセッションでは、そんな私の経験をふまえてのアドバイスを色々な形で提供させていただきます。
以前、パニック障害の症状で悩んでいるクライアントさんがいらっしゃった時に、「必ず自分の力で治していけるので、じっくり短期的に集中して取り組んでみましょう!」 と申し上げると、
「いつか良くなったらなぁとは思っているんですが」という言葉を聞きました。
「いつか」ではいつまで経っても治りません。
「いつか」ではなく、今すぐ何とかしたいという想いで取り組まないと変化は生まれてこないです。
自分で「決める」ことが、本気モードとなり、変化を起こしていく。そんなことを現在パニック障害の症状で悩んでいる方にはお伝えしたいと思います。